Parliamentary Debateという即興型英語ディベートに関して、思ったことをつらつらと、気の向くままに吠え綴ります。 Debateという眼鏡を通して、人間とか社会とかといふものについて考察してみるBlog
2014年1月24日金曜日
Burden of Proof
Burden of Proofっていう概念がありますよね。
よくジャッジさんにフィードバックで「もっとバーデンを意識して...」とか「このmotionのGovのバーデンは~だから...」とか言われたり。
では「Burden of Proof」ってなんでしょうか?
「証明責任!」っていうのはやめてください、それはただの和訳です(笑)
「あるmotionにおいて、各サイドが勝つために証明しなければならないこと」のような感じでしょうか、ざっくり言うと。
では「Burden of Proof」はどうやって導き出せば良いのでしょうか?
「Burden of Proof」を、motionが毎回変わるというパーラの特質を超えて導き出す方法論は無いでしょうか?
「経験を積めば自然と見えてくる」とか、「motionが毎回違うのだからそもそも定式化みたいなことは出来ない」という意見もあると思います。
ただいつまでも経験頼みだと必ず苦手な分野でおもっきし外れた議論をしかねないですし、定式化できないって開き直ってたらいつまでも進歩できないですし。
「Burden of Proof」を毎回正確に導き出せれば、少なくとも外れた議論かまして確実に負ける確率は格段にさがりますし、BPとかだったら安定してポイントを稼げるのだから、そういう方法があればすごく日本のディベート界のレベルも上がると思うんですよね。
そもそも理論なんてのは100%応用可能である必要はないんです、70%とか80%のmotionで適用できれば万々歳で、あとの20~30%は例外という形で個別に対応策を考えれば良いんです。
少なくとも何もないよりかはずっとベターです。
これは僕の印象論なんですが、もし仮に「Burden of Proofってどうやってわかるんですか?」っていう質問をした場合、おそらく「経験」みたいな答えで済ます人から、丁寧に説明しようとしても、「たとえばTHW~っていうmotionだったらGovは....」みたいな感じで突然具体例に突入して、そのmotionについて説明するものの一般化まではしてくれない人が多いのではないでしょうか。
もしくは「Benefitを示してたり、スタンスを明確化させたり、メカニズムを~」と言った感じで具体例を並べて、ある意味「MECE」が考慮され切っていない、もれとダブりのオンパレードのような説明に陥りかねないのでは。
あくまで個人的な印象論です、特に僕は一年間日本のディベート界から離れていたので全く現実に基づいてもいません(笑)
僕の印象論がただのアホな妄想で日本のディベート界の現実からかけ離れていたのなら、それはある意味いいことなのでw
なので日本に帰ったらいろんな方にここらへんのご意見を伺いたいなーと思っています。
というわけで、どなたかこのブログを読んで下さってる方で、「Burden of Proof」に関する良い資料をご存知の方がいらっしゃったら教えて頂けないでしょうか。
現在手持ちの理論を使って個人的にいろいろ考えてみてはいるんですが、いかんせんめちゃくちゃ難しいので、一人で考えるのはなかなか骨が折れるっていうのが正直なところです(笑)
もし加藤さんがこの記事を読んで下さっていたら、気が向かれた時にでもこのトピックについてご意見を記事にしてくださると非常にありがたいです(笑)
もちろんどなたでもご意見や疑問がある方は、コメント欄・ついったー・fb等でいつでもおっしゃって下さると助かります^^
追記ですが、前回「理論化」という言葉を使って記事を書きましたが、一橋の世永に「理論化っていうより、理論の中身を理解しましょっていう話じゃないか」という趣旨のツッコミをもらって、確かに「理論化」っていう言葉を僕の個人的な感覚で使い過ぎていたので、かえって分かりにくかったかも知れません、申し訳ないです(;´Д`)
ディベートにおける「理論」もしくは「理論化」とうトピックについては、もう少し厳密に言葉をて定義したうえで後々改めて書こうと思います。
毎度追記ばっかですみません、学習能力が無さ過ぎて自分に萎えてきました笑
これからは記事を公開する前に下書きに保存して、一晩寝かしてから一度チェックしてみようかと考えてます。
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横山のブログを発見したので、面白そうなこの記事にコメントしてみることにする。
返信削除Burden of Proofという考え方自体は非常にシンプルなものだと思います。
僕個人の結論を書くと
「ディベートの中で、①モーションに書かれた単語/文をダイレクトに肯定/否定する要素であり、なおかつ②相手サイドが同意してこない部分」
であると思っています。
記事の中で
「あるmotionにおいて、各サイドが勝つために証明しなければならないこと」
と書いているように、これが基本的な考え方であることは間違いないでしょう。
ということで、この考え方をさらに具体的にするためには、「勝つ」とはどういうことかを深めればいいはずです。
では、勝つとはどういうことか。勿論、相手の議論を突き崩すせば大抵の場合は勝つことができます。しかし、相手を叩き潰すだけでは勝てません。何故ならディベートは相手の議論を否定する競技ではなく、モーションを肯定/否定する競技だからです。
したがって、モーションをダイレクトに肯定/否定できなければその分析には意味がありません。
例えばTHW also hold parents criminally liable whose children commit offenses. で、govが相手の反論をかいくぐり、子供の犯した罪の責任が親にある、という話を上手く立てたとします。しかし、その責任が何故"criminally liable" に繋がるのかを説明できなければ、ジャッジからはburden of proofが果たされていないと取られるでしょう。
これは、govがモーションのワードを肯定できていないためです。
それでは、モーションを肯定/否定する分析とはどういう分析なのかを考えてみます。
①モーションのワードそのものに関わっている。
→これは前提条件です。モーションのワードに関わりのない話をいくらしても、そんなものは明らかにirrelevantです。大事なのは二つ目。
②相手が同意してこない。
→いくらモーションのワードに関わっていたとしても、相手が同意する部分をどれだけ説明したところで、モーション全体の肯定/否定にはつながりません。
例えばTHBT all countries should have the right to possess nuclear weapons.で、LOがnuclear weaponsの危険性をとても綺麗に立てたとしましょう。しかしDPMが出てきて、「危険なのは知っているし、同意する。だからこそ外交的パワーバランスが崩れ得る。したがって、全ての国が核兵器を保有する権利を持つべきだ」と言われてしまうと、oppが美しく立てた「危険だ」というアーギュメントは、一気にラウンドにおけるコンセンサスとなり、ジャッジにモーションの否定に繋がっていないと取られるでしょう。なので、この場合のoppは相手が絶対に同意できない部分"all countries"を否定しなければならないということが分かります。同時に、govとしても同じ部分を肯定する必要があるでしょう。
したがって最初に戻り、Burden of Proofという考え方を再確認すると
「ディベートの中で、①モーションに書かれた単語/文をダイレクトに肯定/否定する要素であり、なおかつ②相手サイドが同意してこない部分」
に帰結すると思います。ここにおいて相手を上回り、なおかつジャッジが納得できるだけの説明を果たしたとき、ジャッジは「burden of proofが果たされた」と感じるのではないでしょうか。
さらにBurden of Proofを果たすために、という実践的な観点からさらに細かく詰めると、
①まずはモーションのワーディング全てに注目して、一つずつについて分析してみる
②その中で、相手が同意してきそうな要素は省く/説明を短くする
③残ったワード/文を上手く肯定/否定できるような理由・説明を考える
というのがやり方かなと思います。
ただ、最近抽象的なモーションが多いので、
③残ったワード/文を上手く肯定/否定できるような理由・説明を考える
においては、ワードの具体化やケースの明確化(contextualization, case study)あたりをburdenとして持ち出すジャッジもいる気がします。このあたりは「モーションを肯定/否定」できていると感じる各々のジャッジの感性に依る部分が大きくなると思いますが、あえて付け加えるなら「ジャッジが具体的に想像できる形で」という一文をどこかに挟む必要はあるかもしれません。