2014年1月10日金曜日

ディベートが強くなるために必要な能力


ディベートが強くなるのに必要な能力は僕自身の中では大まかに分けて3つあると思ってます。
English Skill, Academic Skill, Debating Skillです。
これを最初に書いたのは、これから先の記事もこの考え方をベースにして書くことがあるかなーと考えたからです。


1.English Skill
→英語力です、英語でやる以上当たり前っちゃ当たり前なんですが(笑)
ここでは英語が言語というコミュニケーションの媒体であることを踏まえて、(A)情報の受信と(B)情報の発信の2つに分けて考えたいと思います。

(A)受信
①Reading:英語媒体の資料・Newsへのアクセスのしやすさ
②Listening:実際のラウンドでの相手の議論の理解の深さ・速さ→Engagementの質の向上、音源の分析、海外のNews番組等へのアクセス

(B) 発信
①Speaking:実際のラウンドでの自身のスピーチの説得力(内容の正確な伝達・印象レベル・ジャッジの聞き取りやすさ)、EFL/ESL Biasの減少、など
(②Writing)

2.Academic Skill
→一言で言ってしまうと背景知識のようなものです。パーラの場合トピックが社会問題全般にまたがることを踏まえると、かなり幅広いものにまたがります。

(A)思考のフレームワーク:各分野における基本的な考え方の枠組み、大体の場合抽象的・一般的・普遍的でmotionによって変わりにくい。。たとえば、CJSの基本原則や機能、民主主義の仕組み、功利主義や自由主義などの政治哲学的な思考、経済のルール・仕組み、などなど。

→実際のラウンドでのPrinciple Arguementの特定、クラッシュ⇔コンセンサスの特定、ある分野の
知識の効率的な習得・整理

(B)知識:①と比べてより具体的・限定的・局所的な知識、実際に何が起きたか.
たとえば、特定の紛争での出来事や、各国の具体的な社会問題、時事問題などなど。

→SQのproblemの特定、Practical Arguementのアイディア、現実の社会で何が話題になっているかの特定(何がmotionとして取り上げられやすいかという傾向の予測・感覚)、exampleの長期的・継続的なストックによるArguementの説得力の向上

3.Debating Skll
(A)General/Basic skill:どのディベートにおいても勝つために重要となる要素。いわゆる「基礎」に当たるもの
→Arguementの作り方・型(Triple A, AREA, PHCSA,SQ/AP/Impactなど) 、反論の仕方、スピーチの構成、マナー

(B)Advanced skill:ディベートのスタイルや場面に応じて有用性が期待できる思考・行動パターンのストック
→スタイルに応じたストラテジー(NA/BP/Asian)、ロール分担、ケース設定、プレパの仕方、POIの使い方、motion選択(Asian)、などなど



大まかですが、こんな感じのイメージです。
こういうのはそもそも「ディベートがどういうゲームか」っていう考え方を前提にして書いた方が良いのですが、長くなりそうなので別の機会にでも書こうと思います。


理想的には、これらの能力をバランスよく習得するのが良いと思います、至極無難な結論なんですが。。。
これをダラダラ書いて伝えたいことがいくつかあって、まず一つはこれらを全部まともにやるのはほぼ不可能だということです(笑)
常識的に考えて、たとえば理系の人が、法学やら社会学やら国際関係論などを高いレベルで議論できるようになるまで勉強したり、いわゆる純ジャパと呼ばれる人がESLやらネイティブに英語力で対抗するのは時間の制約上無理です。
なので効率性を考えると、どの能力を集中的に伸ばしていくのかという"選択"が大事かなーと思います。
特に、大学生活でディベートだけでなく他にやりたいことがある人はなおさら、何でもかんでもやるのではなく、取捨選択が大事になってくるかなと。

その選択の際に考慮したら良いのかなと思うのが、「自分がなんでディベートをしているのか」ということだと思います。
人間のやる気なんて有限ですから、自分がやって苦痛じゃない努力から順番にやっていった方が長期的に考えて長続きしますし、楽しみながらできますし。
もちろんある一定のレベルに達したら、自分の苦手なところとも向き合わなければいけませんが、その時は本当にディベートで勝つことが自分がディベートをしている理由なのかを考えて、Yesなら向き合って、Noなら勝ち負けにそこまでとらわれず楽しみながらやったら良いと思います。
まあどうしても強くなって実績が残したいというならば時間の許す限り徹底的に全能力を鍛えるべきでしょうし、勝ち負けよりディベートを通じて英語力を鍛えたいとか外国人の友達が欲しいなら、知識やディベート固有のスキルうんぬんよりは基本的なリスニング・スピーキングスキルを鍛えたら良いですし。
もちろん、複合的なインセンティブでディベートしてる人は、それらに合わせてバランスよく努力したら良いと思います。

僕自身も、ディベートの勝ち負けももちろん気にしますが、ディベートに勝つためにいろいろな分野の知識を習得する過程が単純に楽しかったりや、英語力を伸ばすという点にかなり重きを置いているので、そっちを優先してやっています。
正直なことを言うと、ディベートに勝つことばかりを気にして努力をして、ディベートしなくなった瞬間その努力があまり後々役に立たなくなるという事態が怖いので僕自身かなり保険をかけながら努力をしています。
ディベートに勝つための努力を、常にもう一つ汎用性の高いスキルに落とし込むことを意識しているというか。


長々と書いてしまって落としどころが良く分からなくなってしまいましたが、結論を言うと上達する方法は一通りではないですし、ディベートをやる動機も人それぞれだと思うので、あまり一つの方法に固執する必要はないと思います。
もしかしたら部内で先輩に、あれこれこーやって練習しろとかなりきめ細かく支持されて、それが自分に合わないということは当然起こりうることだと思います。
特に先輩が実際に上手くなった方法とは言っても、あくまでそれはその先輩にとって良い方法であっただけであって、必ずしも汎用性の高いものとは限りません。
特にこれは個人的な意見ですが、努力は常に苦しいものでないといけないみたいな思い込みがあって、苦しくないと自分の「努力」が足りないような不安に陥る人が結構いるような印象を持っているので、そういう可能性がある人はもう少し柔軟に見れたら効率的な練習が出来るかもしれません。
なので、そういった場面で無理やりしたがって、自分に合わない努力をしてディベートが嫌いになるくらいだったら、思い切って自分自身で自分の練習方法を模索して欲しいと思います。
この記事で書いた内容が、その際の大まかな努力の方向性を考える際の一つの参考になればなーと思います。


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