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2018年3月3日土曜日

〔コラム〕Leiden回想録 ④ ~ 全てはインプットから始まる ~


以前の記事〔コラム〕Leiden回想録 ③ ~ 英語力コンプレックスをこじらせて ~にて書いたように、英語力でオランダ人含むヨーロッパのディベーターと競うのは、あまり分が良くないということを悟りました。

それを踏まえて、練習の方向性として、

「英語力を今以上に向上させることは諦めて、ディベートの技術や知識量で差別化を図る」

という方針を立て、がらりと練習方法を変えてみました。


【インプットは基本日本語で】

以前の記事でも書いたように、一時は英語力向上のために、インプットは基本的に英語にして、日本語は生活の中から排除するようにしていました。

しかし、英語力の向上はもはや諦めたので、知識のインプットは日本語で行うことにしました。

理由は単純で、日本語の方が情報の処理速度が速く、かつ知識の定着がスムーズだからです。

英語で文章を読んでいても、いちいちわからん単語が出てくる度に調べたり、日本語で文書を読むのより遥かに時間がかかります。

日本語で情報が取れるものは日本語で、それ以外に英語で読まざるを得ないものは英語で、というように使い分けていました。


【何をインプットしたか】

まずやったこととしては大きく2つ。

「ディベート技術のインプット」と「知識のインプット」です。

ディベート技術のインプット

まずは、ディベートそのものやディベートの技術について学べる日本語の教材が無いか探しました。

こういう時はひとまずJPDUのサイトを見るのが速いかなと思いながら、JPDUのセミナー資料が載ってるページ(http://www.jpdu.org/?page_id=23)を訪れました。

結構たくさん資料が揃っているので、何を読んでよいのかわからなかったのですが、ひとまず全部読んでやろうと考え、とりあえず全部ダウンロードしました。

家にプリンタが無かったため、図書館に行ってプリンタ利用のためのカードを購入し、全資料をプリントアウトして帰宅。


あまりの量の多さに読む気が起きなかったので、「明日から本気出す」と鋼の意思で決意を固め、ひたすらアニメを観てました。

その日はそのままベッドにダイブして、安らかな眠りにつきました。

「明日から本気出す」の画像検索結果



知識のインプット

(A) 新書の乱読

知識のインプットとして、まずはディベートによく出てくる概念に関して、いろいろ勉強しようと思い、本を買おうと思いました。

しかし、オランダで日本語の書籍はなかなか購入するのが難しく(あってもめっさ高い)、どうしたものかと。

オランダの食事に嫌気がさし、和食の禁断症状が出て手が痙攣し始めたため、7月に一時帰国することにしたので、その際に本をまとめて購入しようと考えました。

帰国して本屋に行き、とりあえず気になった本は全部買いました。

合計30~40冊くらいは購入したと思います。

たぶん半分くらいは読まれずにただのインテリアと化しました。


(B) ケースファイルの作成

ケースファイルを作ろうと思い、まずは既存の資料をしっかり読み込もうと考えました。

最初は主に2つ、日本にいた頃に先輩と作っていたリサーチ資料と、Leidenの共有フォルダに保管されていたケースファイルを読み込むことにしました。

Leidenの資料は英語で書かれていたので、こればかりは仕方ないので英語で読みました。



【なぜインプットが重要か】

とりあえずインプットをしようと思ったのには、2つ理由があります。

"Read a lot"

1つは、以前の記事にも書いたのですが、Leidenの強いディベーターの1人が"Read a lot"と言っていたのがとても印象に残っていたからです。

強くなりたければたくさん読め、と。

確かに彼含め、上位層の知識の広さと深さは並外れたものがありました。

例えば、彼はアメリカのどの州で何年にgay marriageが合法化されたか、全部頭に入ってると言っていました(必要かどうかは別として)

ヨーロッパで遭遇した強いディベーターは例外なく圧倒的な知識に裏付けされたディベートをしていた、という印象を当時から強く持っていました。


思考のプロセスはインプットから始まる

これはわざわざ書くまでも無いのですが、知的生産のプロセスは大きく、

インプット➡プロセス➡アウトプット

の3ステップで行われます。


ディベートでいえば、

マター(何を言うか) ➡ マナー(どういうか)

ですかね。


この最初のステップである、インプットの質が低ければ、どれだけプロセス、アウトプット工程の技術が優れていようが、ごみしか生まれないのです。


どんだけ料理の腕が優れていようが、材料が腐っていたら美味しい料理が出来ないのと同じですね。


なのでインプットの質・量に関してはとことん突き詰めるべし、という信念のもとインプットに専念しました。



以上のように、ひとまず時間をじっくりかけて大量の知識を脳みそにぶち込む作業を開始しました。





2014年1月26日日曜日

”Read a lot”


たくさん読みましょう、まんまですが(笑)

本でも、マテでも、記事でも、ニュースでも。

ディベートの実力を向上させるのに有益だと判断出来たら、とりあえず読んどきましょう。

この言葉は2013年のワールズの
ESL FinalistのDaanというライデンのディベーターが言ってた言葉で、特にこの部分を強調して何か話してたわけでも無いんですが、僕個人の中では割とこの考え方が印象に残ってたんでタイトルにしました(笑)

まあそりゃラウンド練とかプレパ練を一種のアウトプットと見做せば、インプットとセットでやった方が効率が上がりそうなのはそれほど想像に難くないですよね。

受験勉強で、ひたすら模試ばっか受けまくって教科書読まないとかただのアホですし。



ただ向き不向きっていうのもあると思います。

僕は文章を読みながら考える方が頭に定着するし負担が少ないからそっちのが楽ですけど、中には文章読むのが苦手だとか苦痛だとか言う人もいると思います。

そういう人は、いきなり大量に文章読まなくても良いんで、自分が気にるもの・興味があるものを探して、比較的読みやすいものから入れば良いと思います^^

こーゆーブログ形式の方が気楽に読めるって人はそれでも良いと思いますし(このブログがそういう人のお役に少しでも立てるよう頑張ります笑)

ここでも何度も取り上げさせてもらってる加藤さんのブログとか、MDIっていうディベートに関する様々な記事を有志のディベーターが書いてるものなり。

ここらへんは、練習方法考えたり、ディベートで直接使えるアイディアがあるので興味あったら時間かけて一通り読んでみてもいいと思います。

がっつりディベートの基本的な考え方(立論・反論・リサーチ・ストラテジーetc)を学びたいっていうなら、JPDUに過去のセミナー資料とか上がってますから必要に応じて有効活用するといいかもしれません。

知識を吸収したければ、新書読んだり、みんなが大好きWikipediaを読んだり。



くどいですが、最後は自分に一番あってる方法でやってくださいね。

僕はめんどくさがりですし、はっきり言って練習はめんどいしなるべく楽して上手くなりたい派なので、あくまで自分にとって慣れてる「読む」っていう方法をメインでやってるってだけです。

もちろん大会前とかは、そこで得た知識やら考え方を実践で使えるように調整はしますが、その期間ははっきり言って僕にとってはダルイです(笑)

自分にあってないものとか、上手くなるって確信の無い練習を我慢してやるのはあんまり精神衛生上良くないですからね(;'∀')

ただ、今までラウンド練ばっかメインでやってて、しかも実力が伸び悩んでる人とかは、「読む」っていう違うアプローチを取り入れてみると、何かしら良い影響が出るかもしれません。






2014年1月23日木曜日

海外音源セミナー


こんにちわー

こないだのシェンウーのスピーチについてはあの記事を少し書くこと自体で疲れて、あの記事で何が言いたかったのかというまとめの点がお粗末なものになっていたので、また時間が出来たら追記という形で改めて書こうと思います。
まだ文章を書くことに慣れていないので、肝心の結論が抜けてしまったり分かりにくくなってしまうことがよくあるかも知れませんが、少しづつ改善していこうと思っているので温かい目で見守ってくださると幸いです(笑)
 
 
 
さて、先日、ICUで海外音源セミナーというものが行われたらしいので、このブログでも少し取り上げさせていただこうと思います。

詳細はここに掲載されています↓
【動画URLあり】海外音源セミナーのご報告

このページには対象の動画(Australs 2012 Round 1 (Ateneo 1 vs UQ 2)モーション:That we should ban eating contests.) と、実際のセミナーの様子も配信されています、ICUの黒木君がレクチャーをやっているみたいですね^^

いつだかの記事で、僕も個人的に上手いディベーターの人の動画の見方を共有できる場があれば良いなーと書いていたので、実際にそう言う場があったというのを知って素直に嬉しいです。

もうすぐ日本に帰国するので、またこういう場があったら是非僕自身も一度は参加してみたいです笑

長期的には、もっとこういう場が増えて、動画に関する見解に対して議論が起こって、ある程度研究されつくした動画に関しては、日本ディベート界での一定の共通見解が固まって、たとえば、マテ化されてJPDUのHPにアップされて誰でも簡単にアクセスできるようになったりしたら、すごく便利だと思います。


こんな記事を書いといて、実は僕自身がまだこのセミナーの動画をチェック出来ていないという残念な状況なのですが、今回はとりあえずこういうものがあるということを知ってもらえれば、という趣旨で書きました。

近いうちにこのセミナーの動画を見て、内容自体のまとめと、感想や意見みたいなものがあれば書いてみたいと思います。
 
でわでわ

2014年1月13日月曜日

音源・動画の使い方(前回の記事の追記)


前回の記事(http://jakushanotooboe-debate.blogspot.nl/2014/01/blog-post_12.html)について少し謝りたいことがあって追記という形でこの記事を書いています。

というのも、昨日の記事を自分で読み返していて、あの記事の書き方だとただ、「音源を聞くとか動画を見るのは、ある程度実力や知識をつけてからじゃないと練習方法として非効率になりかねない→動画や音源を使う前にマテとか本読んだりスピ練とか、もっと基礎的な練習をちゃんとしろ」のように見えかねないと思ったので、完全に僕のチェック不足だったので謝罪します、すみません(;´Д`)

前回の記事で書きたかったことは、

"音源を聞くという行為だけを単体で反復しても実力の直接的な向上にはつながらず、他の練習方法と併用して初めて効果が期待できるもの"

ということです。
(一応記事の前半の方で「僕自身の、結論から書くと、音源を聞いたり動画を見たりするのは、あくまで補助的な作業であって、それ単体で何か爆発的に実力が伸びるものではないと思います。」と書いたのですが、これだとややネガティブなニュアンスが出てますし、文章の終わりでもう一度結論を明確化すべきでしたorz)

ちなみに、これは某ディベーターさんのツイートを見てハッとして前回の記事を見返したのが一つのきっかけでした。
そのツイートがこのブログ宛のものかどうかは正直分からないですが、自意識過剰なので勝手に反応しました(笑)


さらに嬉しいことに加藤さんがこの記事の内容をご自身のブログで取り上げてくださっていて、前回の記事の内容を、加藤さんご自身の「Debating Cycle Theory」という考え方をもとにもっとマクロな視点から分かりやすく捉えなおして下さってるので、そちらと一緒に読んで下さると分かりやすいと思います。(http://debatejiyucho.blogspot.jp/2014/01/debating-cycle-theory.html)


2014年1月12日日曜日

レコーダーはディベーターの必需品?


日本人ディベーターって音源録るの好きですよね。
大会のブレイクラウンドになると一番前の机の上とかレコーダーとかスマホでいっぱいになってたり(笑)
多分コミュニティでスカイドライブとか使って大会ごとの音源を共有してるとこも多いんじゃないんですかね。


なんでこんなこと書くかというと、いくつか理由があります。

一つ目は、これは個人的に驚いたことでもあるんですが、ヨーロッパの大会とかだとディベート録音しようとしてる人を全くと言っていいほど見たことないです。

ライデンに来たばっかの時は、毎回のように練習の際音源録ってたら、オランダ人の友達に「なんで音源録ってんの?」と不思議そうな顔で聞かれました、その子はその時は面白がって真似して一緒に録音してましたが(笑)

なのでこの違いは何なのかなーと時々考えてみたら、ヨーロッパと日本のディベートに対する考え方とか姿勢の違いが見えて面白いかな、と思います。

まあ一つ大きな理由として考えられるのは、英語力自体に差があるので、ヨーロッパ圏の人たちはその場でリラックスしながらある程度ラウンドを理解できるのに対して、日本人だと理解するのに何回か聞きなおす必要がある、ってのがあげられるかもしれません。

もう一つは、かなり僕自身の印象なのですが、ヨーロッパのディベーターはラウンド見るとき、観戦するっていう行為自体を楽しんでいるような気がします。
あまり今後の練習とかのことは意識せずに、リラックスしながら、サッカーの観戦をするくらいの心構えで楽しみながら見てる、みたいな。
もちろん個人差はありますし、くどいですがかなり感覚レベルで書いています(笑)


で、ここからがある意味本題(?)なんですが、みなさん録った音源をどのように使ってますか?
もしくは何のために音源を録っているのか?

ていうのは、僕も周りの人の真似して音源録る習慣がついてはいたのですが、実際にその音源を有効活用できた記憶がほとんどないです。
まあ録るだけならスイッチ押してレコーダー置いとくだけでほとんど労力はいらないですから、「念のため」録っとくのは全然合理的だと思います。


単純にディベートを聞くのが好きで、ヒマな時に娯楽として聞くみたいな感じで聞くのは個人的にしっくりきます。
それで、あわよくば少しでもディベートのアイディアとか、かっこいい言い回しとかが手に入ればラッキーって感じです(笑)


ここでもう少し質問を絞りたいと思います。
「音源を聞く作業はディベートが強くなるために効率的な練習方法なのか?」
動画とかも同じ類です。


僕自身の、結論から書くと、音源を聞いたり動画を見たりするのは、あくまで補助的な作業であって、それ単体で何か爆発的に実力が伸びるものではないと思います。

なんで一見こんなありきたりなことをわざわざ大げさに書いたかというと、
・みんなが音源を録ったり・聞いたりしてるから、それらが上手くなるために必要不可欠なステップだと思い込んでる人
・みんながやってるから、音源をたくさん聞けばそのうち上手くなると思ってる人
・トップディベーターの音源だからと言って批判的に見る作業をせず、安易に実際のラウンドで猿まねする人
などなど、こういう傾向のある人は一定数いるんじゃないかなと思うからです、意識してるか無意識かは関係なく。
そういう人たちは、たとえば実力で伸び悩んだ時に、「こんなに"努力"してるのになんで上手くならないんだ」とか、上手い人の真似してみて評価されないと「やはり自分には向いてないんだ」などとネガティブな方向に気持ちが向いてしまうかもしれないんじゃないか、と勝手に一人で危惧してる次第です。


僕が一番音源で問題視するのは、音源を聞くという作業は本質的に受動的なので、あくまで明確な目的をもって意識的に聞かないと、ただのBGMになっちゃうんですよね。
馬の耳になんたらってやつです。


音源から何かを学び取ろうとするには、ある程度前提となる「知識」や「視点」が
必要です。
たとえば、前回の記事で紹介したワールズの決勝のPMの話も、僕自身あの記事で書いたことを学ぶまでは「なんかめっちゃ丁寧にDefinitionしてるなー、さすがMonash」くらいにアホ丸出しでぼけーっとして聞いてました。
2010年のワールズのGFのCOの議論とかも、ある程度過去の紛争に対する理解が無いと、実際のラウンドで使えるレベルまで理解するのも難しいと思います。(この動画については改めて個人的な意見なども書こうと思ってます)
つまり、面白いロジックとかアイディアとかが話されていても、その背景知識の量や英語力によって得られるものの量に関しては相当な個人差が出ます。

あとは、音源の「質」の問題です。
自分のレベルにあった音源を探し出すのは思っているより難しいと思います。
ワールズのGFなどは正直レベルが高すぎて、日本のトップディベーターでも正しく理解できる人は少ないんじゃないかと思うレベルのものさえあります。
かと言って日本の大会の音源だと、割とGFでもmotionのcore issue外しまくってて、かろうじてそれに近いことを言ってるチームが優勝してるみたいなこともあるので、批判的に見る能力が無い状態で盲目的に見ると、間違った理解や見方を身に着けることになるので注意が必要ですし。
(実際に自分のとこの後輩が物まねしてるのを見たことがあって、ちょっと危機感を思えました笑)


長くなりましたが、まとめますと、音源を聞くという「練習方法」を選択する際は、その性質やリスクをある程度認識したうえで聞くのが、効率的な練習をするうえで不可欠だということ。
音源を聞く以外に、というより聞く以前の段階で、基本的なArguementの作り方を確認するためにレクチャー資料をよむだとか、背景知識の理解を深めるために本を読むだとか、他にもいろいろやれることはあるということ。
もちろん、音源を聞くなという気はさらさらないです、むしろ上手く使える人にとってはかなり強力な武器になりますから。
ただ使う際は、ここに書いたようなことをある程度踏まえたうえで活用するべきだと思います。

あとしつこいですが、強くなることとか効率的な練習方法のみに重きを置いてない人は聞き流してください。
娯楽みたいな感覚で楽しみながら動画を見るっていう人や、そもそもそんなこと言われなくても分かってる人にとっては余計なおせっかいですしw


最後に、ある程度経験を積んだディベータ-の方とかは、ワールズのグラファイとかの有名なラウンドについての見解とか見方とかを発信したら、後輩とかにとっては非常に助かると思います。
よく、この動画や音源はいいから聞いてみろと後輩に言ったり、ネット上で紹介したりしてる方はよく見かけるんですが、どうしていいのか、どのように見ればいいのかっていう点に深く言及してる人をあまり見かけないなーという印象を持っています。
たとえば、個人的に大好きな加藤さんのブログ(http://debatejiyucho.blogspot.jp/)では、加藤さんがたまにお気に入りの動画を紹介されているのですが、いつも加藤さんはなんでこの動画を好きになったのか、具体的にどうやって動画を評価しているのか、など聞いてみたいなーなどと思いながら見ています(笑)
ある程度経験を積んだディベータ-同士で集まって、ある動画の研究会・勉強会みたいなものを開いても面白いかなーと思います、そこで見解を共有できれば後輩にも教えやすくなりますし。

僕自身も、ネット上にある動画について今後可能な限り自分なりの見方を思い切って書いて行けたらなーと思います、批判やらは受けるでしょうが(笑)
ただ、そうやってディスカッションが起こって、レベルの高い動画についての見方が少しづつ形成・共有されれば、もっといろんな人がそういう質の高い動画から学べる機会が増えると、後輩が成長するための選択肢が増えますし、日本のディベートコミュニティのレベルも上がると思います。

なんか最後の部分は薄っぺらいPublic discourceの議論みたいになってしまいましたね(笑)
でわでわ。。