今回はRFDについて自身のVoteに至るまでのプロセスを少し言語化できればと思います。
GFはジャッジが9人いて、8-1でGov.が優勝するという結果になりました。
ご存知の方も結構いらっしゃると思いますが、僕はOpp.にいれたので、マイナーした1の方のジャッジです。
最後の最後で派手にマイナーしました(笑)
ですので、ここで書くのはOpp.に入れた理由であって、GFをジャッジしたほか8名のRFDとはおそらく大幅に異なると思うのでご承知くださいm(__)m
アカウンタビリティーの観点からと、こういうディベートの見方をする人間がいるってことが少しでも読んでくださってる方の参考になればという趣旨から書くことにしました。
まず、ざっくりと両サイドの話から。
Gov.はメインの話としては、前提として胎児にも人間と同等でないとしても一定程度の権利が認められる。
そのため加害者は胎児の被った機会損失に対して賠償をしなければならない。
具体例として、intergenerational responsibilityという概念をあげ、環境被害にあった胎児などが訴訟を起こせる言った話をしていました。
その他のpracticalなbenefitの話として、social capital、胎児に対するassaultへの抑止力、企業が胎児に害を及ぼしうる物質を使うことへの抑止力などの話もしていました。
Opp.はsociety におけるmembershipという概念を用いて、fetusとすでに生まれた人間を区別し、memberである人間を優先させるべきとのスタンスを取っていました。
Membershipの基準として、生まれていること、第三者とのつながり、社会への貢献、social recognitionなど幾つか並列的に挙げていました。
具体的な話として、犯罪者の権利と胎児の権利がtrade-offにあることを挙げ、犯罪者への必要以上のpunishmentの危険性について述べていました。
これらを踏まえた上で、いくつか段階を踏んで書いていきます。
1.胎児に権利は認められるか?
→一定程度認められるのではないかと判断。
これは一見Gov.のフィロを評価したように見えるかもしれませんが、少し違います。
結論から言うと両サイドどちらかの話を100%取ったとかではなく、両サイドともやや説明不足で決定打にかけていた感がありました。
Gov.は胎児の人間との連続性をもとにして、人間に準じた存在として扱うべきとの話を出していましたが、Opp.からの指摘に合った通り、人間へのpotentialという観点で線を引くのであれば少しgeneric過ぎてやや説得力に欠けていと思いました(ここは取り方が分かれるかと思います)。
仮に胎児の方が人になるpossibility明確に高いと評価したとしても、その基準自体の正当化まではされておらず完全に評価することは出来ませんでした。
その反面Opp.のmembershipという基準も、人として生まれてから始まるという基準はある種単純明快で分かり易かった反面、Gov.同様その基準自体の正当化がされていないこと、animal rights等の例外の存在に対してあまりうまく対処できていなかった点などから同様です。
(社会への貢献や、他のメンバーとのつながり、などはあまりにも抽象的すぎてそもそも何を示しているのか今一分かりませんでした。また、同様になぜその基準自体が重要なのかは説明されていませんでした。)
Gov.はexampleなどを出しながら、胎児の権利が認められる具体例などに触れながら説明していたので、多かれ少なかれ現実では認められうるのかな、くらいの心象に落ち着きました。
2.胎児の”どのような権利”について話をしているのか?
→胎児の「人間として生きる権利」に対する損害賠償請求権
1において胎児の権利が部分的に認められると仮定を置いたうえで、次に判断すべきは胎児の権利のうち、具体的にどのような権利について話していて、さらにそれは今回のケースで認められるるのかだと考えました。
これにかんして、PMから一貫して出ていた話を整理すると、
「criminalの母体への攻撃によって胎児へダメージ→胎児が生まれた後に様々な障がいの形で顕在化→生活などにおいて支障が出る→APで賠償や罰則などによってそれらの機会損失等の補填を可能にする」
のような形になっていたと思います。
そして、この話の思想的な前提となる話が、前回の記事(春T GF① equityについて)でも触れた、DPMから出ていた"right to live as human"でした。
以上より、胎児の「人間として生きる権利」に対する損害賠償請求権、だと判断しました。
3.Opp.の守ろうとしている権利は?
→(社会のメンバーである)犯罪者の権利
これはLOのスピーチから出ていたように、ざっくりまとめてしまうと、本来なら責任が無い部分に関するover-punishmentの危険性に言及していました。
もう少し丁寧にロジックを追うと、
①社会のメンバーとそれ以外を区別→社会のメンバーの権利を優先させるべき
②犯罪者=社会のメンバー
③胎児=社会のメンバーではない
ゆえに、犯罪者の権利を優先させるべき。
4."胎児の「人間として生きる権利」に対する損害賠償請求権"と”犯罪者の権利”のどちらを優先させるべきか?
→犯罪者の権利と判断
理由ですが、そもそもGov.の"胎児の「人間として生きる権利」に対する損害賠償請求権"が存在しないと判断しました。
母体に危害を加えられても、胎児は人間として生きていくことは可能だからです。簡単に言ってしまえば、目が見えなかろうが、足が無かろうが、人間として生きているのだから、Gov.の前提である権利侵害がそもそも起こっていないと考えました。
これはおそらく人によっては(もしかしたら多くの人にとって)ただの屁理屈だと映るかもしれません。
ただここのロジックは、僕にとっては全く説得的ではありませんでした。
intergenerational responsibilityの概念が現実に導入されているのでしょうが、ただ理由は絶対に「人として生きる権利」の回復では無いと思います。
もう少し誤解を恐れず率直に書けば、ここのフレーミング一つで僕はvoteを変えていた可能性もあります。
もう少し遠回りな表現をしていてこの判断をすれば、自分でもバイアスに基づいた介入と認めざるを得ませんから。
ただあれだけexplicitに言われてしまった以上、Gov.に良心的に介入しようと考えても無理でした。
Opp.の犯罪者の権利については、権利侵害が無い以上、必要以上に罰を与えることは冤罪と等しいですから、ここはAverage Intelligent Voterとしてそれほど理解に苦しみませんでした。
また、Gov.のengageも自身の話をリピートするだけでしたので、効果的な反論も無かったと判断しました。。
(例えば、GWのスピーチ中にPOIで指摘がありましたが、ただ"happy to increse punishment"とか"they deserve it"のようなニュアンスのことを言って退けるだけだったり。)
*話がそれますが個人的に"they deserve it"もややoffensiveだと思うので(責任の有無をdebatesしていてそこがunclearなので)、ちょっと表現に気を付けた方が良いかなと。。
以上より、Opp.にVoteしました。
メインの話に絞って書いたので、次の記事で補足しようと思います。
(その他のマイナーイシュー、abortionのアナロジーの取り扱い、offensiveだと感じた議論をどう評価したか、などなど)
0 件のコメント:
コメントを投稿