Parliamentary Debateという即興型英語ディベートに関して、思ったことをつらつらと、気の向くままに吠え綴ります。 Debateという眼鏡を通して、人間とか社会とかといふものについて考察してみるBlog
2018年1月28日日曜日
〔雑記〕ディベート一時復帰します
ご無沙汰しております。
タイトルの通りなのですが、仲の良い後輩がもうすぐ卒業するとのことで、学生最後となるであろう大会に一緒に出るため、一時的にディベート再開したします。
それに伴い、このブログも不定期にはなると思いますが、ちょいちょい書いていければなと思います。
この記事自体は、特にディベート面で役に立つ中身のない、私の思考が垂れ流されるだけの記事となりますので、あらかじめご承知おきを。
最近はカフェイン中毒に拍車がかかり、ディベートの練習もせずに、のんきに美味いコーヒーを求め日々放浪しております。
先日、「コーヒー文化学会」なる謎の団体に入会し、今後はコーヒーについて知見を深めていければと思っております。
昨年広島に行った際に、カフェのオーナーのおじさんと仲良くなり、休みが取れたら今年はインドネシアのコーヒー農園に同行するかもしれません。
このブログが気づいたらカフェブログになっていたら、すみません。
久しぶりになんか書こうと思い、自分の過去の記事を流し読みしていたのですが、今読み返してみると、なかなか香ばしいことが書いてある記事もあり、コーヒーをすすりながら、悶えたい気持ちを必死に抑えている次第でございます。
数年前とはいえ、若気の至りとは恐ろしいものですね。
そもそも「ディベートのブログを書いて、役に立つ発信しよう!」なんて試み自体が、香ばしさの固まりみたいなものですからね。
まあもともと文章を書くのが好きですし、結果として少しでも読み物として誰かが読んでくれてるのであれば、結果オーライなのかなと勝手に自己完結しております。
書くことなくなりました。
次からは、もう少しまじめな内容を、こんな感じでゆるーく書いていきます。
今日も一日良い日になりますように。
2017年11月1日水曜日
ヨーロッパでブレイクするために実践した2つの練習法 (BP Novice Westに寄稿したやつ)
【「ディベートで強くなる」ために必要な2つのこと】
「ディベートで強くなる」というテーマについて考える際にはいろいろな観点があると思いますが、下記の2点を目標にひたすらPDCAを回し続ける、というのがなんだかんだ近道なのだろうという結論に至りました、
①
ボトムラインの底上げ(どんなモーションでも“外さない”)
②
パフォーマンスのトップラインの向上(“深い”議論の提示)
【ライデン留学時代】
大学2年の2月からオランダのライデン大学へ1年間交換留学をしていました。留学先のライデンがたまたまディベートの強豪だったため、修行して帰ろうという気持ちでLeiden
Debating Unionに参加。
暗中模索していた留学時代に試した練習方法のうち、効果があったと思う2つを下記に記しますので、参考になれば幸いです。
【練習法①:「苦手なモーションでひたすらスピ練」】
n 練習方法
① 苦手モーションリスト作成
A)
出場予定の大会の過去モーション(数年分)をリストアップ
B)
各モーション5分くらい考える
C)
PMで話す内容がぱっと思いつかず、本番で出たら爆死しそうなモーションをリストアップ
② スピ練
A)
リストアップしたモーションで10分プレパ
B)
スピーチ(5分か7分)
C)
自分のスピーチを振り返って改善すべき点を箇条書き
D)
3つ改善点を決め、5分リサーチ、再び5分プレパ
E)
再びスピーチ
n Tips
Ø 最低限の内容を効率よく
² ただでさえ意味分からないモーションを、10分プレパでやるという点がミソです。必要最低限の内容を効率よく入れるために、スピーチの型を決めてブラッシュアップしていくとか、毎回一工夫していけるとどんどん改善します。
Ø 録画して悶えよ
² スピ練するときは、録音するだけでなく録画しましょう。最初は自分のスピーチを見ると下手くそすぎて悶えますが、自分のスピーチがいつもジャッジの人にどう見えているのか客観的に理解できます。人を集めて上映会を開き、罵倒されまくるとさらに早く上手くなります。
オランダで練習してた時は、ティッシュの箱にスマホブッ刺して録画してました。
オランダで練習してた時は、ティッシュの箱にスマホブッ刺して録画してました。
躍動感のあるスピーチを撮りたい方は、セルカ棒とかうまく活用しましょう。
【練習法②:「一度やったモーションは徹底的に深堀り」】
n 練習方法
①
普段のラウンド練でやったモーションをリストアップ
②
ラウンド練の時に分からなかった点を明確化(リサーチ、質問etc)
③
ラウンド練の時と同じサイドを想定してプレパ練(時間無制限)
④
「もう一度同じラウンドをやったら確実に勝てる」と思えるレベルまでケースを練り上げる
n Tips
Ø ラウンド練を詰めすぎない
² ラウンド練も良いのですが、1回1回のラウンド練を消化しきれず量に走るくらいなら、いっそラウンド練の頻度を落としてじっくり復習してみても良いかもしれないですね。
Ø 使えるリソースを総動員
² リサーチや先輩への質問など、使える手段をすべて駆使して現時点で自分が考えられる最高のケースを考えましょう。
Ø 「もう一度同じラウンドをやったら勝てるか?」を基準に
² ここが肝なのですが、実際のラウンドを思い出して、もう一度相手とやったら勝てるレベルまで自分たちのケースを練り上げましょう。この基準を設定するメリットは、どこまで深堀すべきか明確化できる点と、「もう一度同じラウンドをやったら負けない」という感覚を積み重ねることで着実に前進している実感が得られる点です。
【終わりに】
当然ですが上記の練習法はあくまで一例でしかないので、試行錯誤しながらご自身に合った練習方法を探してみてください。ライデン時代は、週2回のラウンド練に参加しながら、練習法①を1日1回、その他の時間は練習法②をやっていたようなイメージです。やりやすい形にアレンジしてみたり、一部だけ取り入れたり、ご自身に合う方法で活用してみてください。このような具体的な練習法のサンプルが、普段の練習のヒントになれば幸いです。
2017年4月2日日曜日
グローバル経済におけるTPPの位置づけ
書きます詐欺にならないように、気分が向いているうちに書きます。
TPPについて。
TPPの細かい内容に踏み込んで書くと、書いてるほうも読んでるほうもつらいので、あくまでマクロな話を中心に書いていきます。
(上司から頂いた記事の内容をもとにまとめなおしたって感じです。)
n そもそもTPPとは?
環太平洋戦略的経済連携協定(Trans-Pacific Strategic
Economic Partnership Agreement)。
環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定 (EPA) 。
要するに、自由貿易を推進するための複数国間における協定の一種なのです。
n FTA/EPAとは?
幅広い経済関係の強化を目指して,貿易や投資の自由化・円滑化を進める協定です。
日本は当初から,より幅広い分野を含むEPAを推進してきました。
近年世界で締結されているFTAの中には,日本のEPA同様,関税撤廃・削減やサービス貿易の自由化にとどまらない,様々な新しい分野を含むものも見受けられます。
日本は当初から,より幅広い分野を含むEPAを推進してきました。
近年世界で締結されているFTAの中には,日本のEPA同様,関税撤廃・削減やサービス貿易の自由化にとどまらない,様々な新しい分野を含むものも見受けられます。
- FTA:特定の国や地域の間で,物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃することを目的とする協定
- EPA:貿易の自由化に加え,投資,人の移動,知的財産の保護や競争政策におけるルール作り,様々な分野での協力の要素等を含む,幅広い経済関係の強化を目的とする協定
(外務省HPより)
FTAとかEPAとかは、通商において非常に大事で、たとえば日本企業が海外の市場へ製品・サービスを売ろうとすると、通常障壁があるわけです。
一番わかりやすいのが、関税で、日本からアメリカへ製品を売ろうとしても、いくらか関税をかけられてしまい、その分コストが上乗せされます。
FTAが締結されると、通常関税が引き下げられるか、関税が0になるため、海外の市場でビジネスがやりやすくなるわけです。
そのほかにも、非関税障壁とかがあって、たとえば国内法による外資規制などがあります。
たとえば、もともと韓国内では、海外の弁護士事務所は法律事務を行えなかったのですが、米韓FTAが締結されて一気に20~30以上の外資系法律事務所が韓国にオフィスを構え、サービスを開始しました。
たとえば、もともと韓国内では、海外の弁護士事務所は法律事務を行えなかったのですが、米韓FTAが締結されて一気に20~30以上の外資系法律事務所が韓国にオフィスを構え、サービスを開始しました。
n 自由貿易 VS 保護貿易
もう少し大きな枠組みでとらえてみると、FTAは自由貿易を推進するための便利なツールなわけです。言わずもがな米国をはじめとした先進国は自由貿易を推し進めて、飽和しかけた国内市場だけでなく、新興国などの新たなマーケットを求めて自由貿易の普及にいそしんだわけです。
一方、相対的に自国内の産業が弱い途上国なんかは、自由貿易に反対しました。自国の産業が、海外の製品・サービスによって駆逐されてしまうと自国の成長にマイナスの影響があると考えられたため。
n WTOの代替ツールとしてのFTA
自由貿易といえば、WTO(世界貿易機関)ですね。
これはもともと第二次世界大戦の原因の一つが、1930年代のブロック経済圏による保護主義的な施策から資源の奪い合いになったということの反省から、GATT(関税及び貿易に対する一般協定)やWTOによって推進されました。
米国のリードによって順調に参加国も増えていったのですが、2000年代における中国のWTO参加(2001年)やドーハラウンドの失敗により、WTOによる交渉が困難になってきました。
これは主に途上国の発言力が高まってきたことに起因します。
その結果として、参加国全員が納得できるような包括的な通商ルールを形成することが困難になったため、その代替策として注目されたのがFTAです。
FTAであれば2国間から締結でき、比較的柔軟に合意内容をまとめられます。
結果として、現状280近いFTAが乱立しています。
n TPPは「メガFTA」の一種
TPPというのは、以上のコンテクストを踏まえた上でのFTAの一種であり、自由貿易を推進するという一貫した米国の戦略の一つとみることが出来ます。
n グローバル経済におけるBrexit/Trump当選の衝撃
それを踏まえてBrexit/Trump当選を見てみると、グローバル経済においてこれら2つの事象が自由貿易にとっての逆風だったとみることが出来ます。
EUもそもそもて単一のマーケットの形成を目指して頑張ろうって感じだったのに、まさかの後退。
トランプもTPPの破棄、さらには他国とのFTA見直しなど、完全に自由貿易の推進というこれまでの潮流に逆走しているわけです。
n 米国の狙い
今となってはという感じですが、米国がTPP締結を目指した目的というのは、当然加盟国への市場へのアクセスという短期的な目標がありました。
それに加えて、TPPの内容を比較的高水準にして、さらに広い経済圏で結ばれるFTAの梃子にしようとしており、その経済圏にロシアや中国が組み込まれたときに真価を発揮するタイプの協定でした。
今後中国がリーダーシップを取り、代替となる広域FTAの実現に向けたリーダーシップを発揮することが予想されます。
以上が簡単なグローバル経済におけるTPPの歴史的・戦略的な位置づけでした。
ディベートに直接使えるかは微妙ですが、頭の整理の一助になればと思います。
2017年3月30日木曜日
懲役1000年
8時間が1000年に。薬の服用で脳の感覚を狂わせ、受刑者に懲役1000年の刑を与える研究(英研究)
http://karapaia.com/archives/52159185.htmlfacebook眺めてたら流れてきたのでシェア。
いかにもモーションにしやすそうな題材ですね笑
クローンとかもそうだけど、技術の進歩によってこれまでのルールの枠組みが機能しなくなった時にどう向き合うか、という題材はなかなか面白いトピックかなと。
最近は長い記事を書く時間も体力もないので、ツイートみたいな記事ばかりですが、いまだに読んでくれている方がいたら在り難い限りです
最近はTPPとか通商ルールとか、安全保障関連のことをちょいちょい勉強しているので、そのうち気が向いたら自身の思考の整理もかねて書くかもです。
また書きます詐欺にならないと良いのですが。。。
最近は全くディベートに触れていないので、今のディベート界がどんな感じになっているのか想像もつきませんが、今年いっぱいはこのブログでぼそぼそつぶやく以外は関わることは無いでしょう笑
もうすぐ社会人になる方は、あと1日と数時間しかないモラトリアムを満喫して社畜になる覚悟を決めましょう。
2017年3月17日金曜日
Boのスピーチ スクリプト
2017年1月1日日曜日
"「勝負」に負けても、「芸」で勝つ"
あけましておめでとうございます。
昨年はお世話になりました。本年もどうぞ宜しくお願いします。
fbで先日今年はディベートから少し距離を置くというポストをして、このブログの扱いをどうしようかと迷ったのですが、このブログ自体は細々と続けていこうと思います。
ただこれまでのようにコミュニティ内部の人間の視点というよりは、外部の視点から、傍観者・観察者的な視点で考えたことを書くことに使おうと考えています。
いまだに読んでくださっている方はおそらくディベーターの方が多いと思うので、そこに何かしら利益のありそうな内容を書くことは極力意識しますが。
あまりディベートの知識や方法論、コミュニティ内の特定の大会やモーションに関することよりも、
マインドセットとか、社会人になってから使えそうなこととか、そういうことを発信していきます。
これは自身の考えたことや読んだ本の内容をアウトプットして頭の中を整理するという目的も当然ありますが笑
今更あえて書く必要もないですが、ディベートは勝敗が明確に出る勝負事です。
当然ディベートを練習する主要な目的の一つに、「勝負に勝つ」ということが入ってきます。
勝負に勝つことがもくてきであるが故に、勝ちへの執着が生まれ、それは時に敗者の恨みのような形でちょっとした争いごとの種になったり。
あまりにも勝敗や実績に偏重した価値観に染まったコミュニティは、閉塞感が強いコミュニティになってしまったり。
ディベート界もたまにそういう側面が顔を覗かせる場面があることをしばしば感じていました。
そんな時に大切にしていた価値観の一つに、
”「勝負」に負けても、「芸」で勝つ”
という価値観があります。
これは以前読んだ囲碁の本(『直観力』マイケル・レドモンド)という本の中にあった言葉なのですが。
囲碁において、勝敗を超えた価値観として、囲碁を「芸」だとみなす価値観があります。
「勝負には負けたが、芸では勝った。」
という言葉があるように、何か実際の勝負の勝敗を超えたところに別の価値を見出すのです。
ここでいう「芸」とは、相手に対する敬意であったり、相手の碁に感動する姿勢であったり、そういう内容のことがふれられていました。
もう少し一般化すれば、勝負に向かう姿勢とか、そういう部分に当たるのかもしれません。
ここで大切なのは、「勝負」と「芸」のバランスが大事だということ。
つまり、最後に勝つのだという気概を持つと同時に、相手に対する敬意や打ち倒すべき相手であっても感動する姿勢(たとえば、囲碁であれば相手の手、ディベートであれば相手の議論や姿勢に感動する姿勢など)を大切にしようという考え方です。
僕がディベートを始めようと思ったのは、別に全国大会で優勝しようとか、海外の大会で結果を残したいとか、「勝負」で勝ちたいと思ったからではありません。
新歓の時に先輩のディベートを見て、純粋にかっこいいと思って感動したのがきっかけです。
少しずつディベートの中身もわかるようになってきて、圧倒的な分析の深さや視野の広さを兼ね備えた”腹に食い込んでくる”ような議論を聴いて感動したり。
結局自分もそういうスピーチがちょっとでもできるようになりたくて気づいたら5年もディベートをやっていたという感じです。(いまだになかなかその境地に達せませんが。。)
なので「勝負に勝つ」ことと、「芸で勝つ」ことのどちらかを選ぶかと言われたら、間違いなく「芸で勝つ」方を選びます。
もちろん両方で勝てるのが望ましいのですが笑
ディベートでいくら勝てても、勝負の相手や、周りの人間を不快にさせていたら、それはもう「勝負に勝っても、芸では負けている」のです。
「論理で人を黙らせることは出来ても、人を動かすことは出来ない」という言葉と同じように、「強さで人を黙らせることは出来ても、それだけで感動させることは出来ない」のです。
勝負に勝つことも大事ですが、そういう気持ちを大切にして、ディベートに臨んでくれる人が増えてくれたらと、ささやかに祈っています。
2016年12月25日日曜日
RelevancyとTruth
以前Framingという記事で紹介したのですが、この動画が改めて良い資料だと思ったので、さわりだけ簡単に紹介します。
興味を持った方はご自身で観てみてください。
"How to win debates without really making arguments: An Introduction to Framing" with Adam Hawksbee
(https://www.youtube.com/watch?v=Xd_8jrid_mk&t=136s)
・アーギュメントは大きく"Truth"と"Relevancy"の2つの要素から構成される。
・Truthはなぜその主張が正しいのか("Why is it true?")を証明するもの、Relevancyはディベートにおける判断基準を提示し、なぜ自身の主張が大事なのか("Why is it relevant/important??")を証明するものである。
・Relevancyを証明するためには、丁寧にcontextを説明することが大事になる。
・contextとはあくまで主観的なものであり、完全に正しい/固定化されたcontextは存在しない。(あくまでスペクトラム上でのどの部分を取ってくるかという、コントロール可能な要素である。)
・一般的に、ディベーターはTruthの証明に熱心だが、Relevancyの証明はおろそかになりがちである。
この動画を改めて紹介したのは、先日Japan BPでうまくいかなかった時ってのが、大体Relevancyの証明し損ねたことが多かったという自省からです笑
そこで考えたことが、特に「各チームの議論への貢献」というもので評価するBPにおいて、このRelevancyという指標が相対的に重要になってくるということです。
Asianほど、自分のチームだけで一つのTruthを完璧に証明することは求められないため、ある程度Truthを証明したら、残りはなぜその議論が大事かという証明を明示的かつ積極的に行うのが大事だと感じたからです。
ここらへんは意識を変えるだけでもすぐにそれなりの効果が期待できそうなので、もしまだこのブログを読んでいて、わーるずに行く人とかはぜひ意識してみてください。
例えば、Extensionを話す際は、最後の一分は"Why is it relevant??"という話をするとか。
わーるず出る方は頑張ってください。
そしてオランダを楽しんでください笑
カプサロンという料理と、Hertog Janというビール(スーパーで1ユーロくらいで買えます)が個人的におススメです。
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